大学進学を考え始めたものの、「行きたい大学が決まらない」「学部もまだよく分からない」と悩んでいる高校生は少なくありません。周りの友人が志望大学の話をし始めると、自分だけ決まっていないように感じて焦ることもあるでしょう。
しかし、最初から大学名を一つに決める必要はありません。大学では何を学びたいのか、受験にはどの科目が必要なのか、自宅から通えるのか、卒業後にどのような進路があるのかを一つずつ確認すると、候補は少しずつ見えてきます。
また、大学受験では志望する大学・学部・入試方式によって必要な科目が変わります。志望校を考えることは、進学先を決めるだけではなく、これから何を勉強する必要があるのかを決めることにもつながります。
この記事では、広島で高校生の大学受験を支える明光義塾の視点から、志望大学が決まらないときに確認したい学部・学科、入試科目、通学、将来の進路について解説します。候補となる大学を挙げ、実際の受験勉強までつなげる方法も紹介します。
大学の志望校が決まらないときは大学名だけで無理に決めない


志望校を考えるとき、「有名だから」「友人が目指しているから」「今の偏差値で届きそうだから」と大学名から探し始めることがあります。
大学名をきっかけに興味を持つこと自体は問題ありません。ただ、その大学へ進学した後に何を学ぶのかまで確認せずに決めると、入学してから「思っていた内容と違った」と感じる可能性があります。
大学で実際に所属するのは学部や学科です。同じ大学の中でも、学部が違えば授業内容、必要な入試科目、取得を目指せる資格、卒業後の進路は変わります。
志望大学が決まらないときは、大学名を一つ選ぶことを急ぐより、「大学で何を学んでみたいか」から候補を広げていく方が考えやすくなります。
まず「大学で何を学ぶか」から候補を探す
大学選びで最初に確認したいのは、その大学で何を学べるのかです。
例えば、社会の仕組みに興味があっても、経済の動きを学びたいのか、企業経営について学びたいのか、法律や制度について学びたいのかによって候補になる学部は変わります。理系でも、情報、機械、建築、化学、生物など、興味の方向によって候補になる学部・学科は異なります。
高校の授業の中で「もっと知りたい」と思った内容や、ニュースや日常生活の中で気になるテーマを書き出してみると、学びたい分野を考えるきっかけになります。
最初から学部を一つに決める必要はありません。「経済や経営が少し気になる」「情報系を調べてみたい」といったところから候補を作っていきます。
やりたい仕事が決まっていなくても学部は探せる
志望校を考えるときに、「将来なりたい仕事から逆算しよう」と言われることがあります。しかし、高校生の段階で将来の仕事まで決まっていないことも珍しくありません。
その場合は、無理に職業を一つ決める必要はありません。好きな教科、興味のあるテーマ、大学で受けてみたい授業などから学部を探す方法があります。
例えば、人の行動や気持ちに興味があるなら心理学や社会学、パソコンやプログラミングに興味があるなら情報系、外国語や海外の文化に興味があるなら外国語・国際系など、興味から候補を広げることができます。
大学で学ぶ中で興味が変わることもあります。将来の職業が決まっていないから志望校を決められないと考えず、まずは「大学で学んでみたいこと」を探してみましょう。
気になる大学を1校に絞らず複数候補にしておく
志望校を考え始めた段階では、候補を一つに絞る必要はありません。
同じ分野を学べる大学をいくつか探し、学部・学科、授業内容、入試科目、通学などを比べることで、自分が重視したい条件が見えてきます。
例えば、同じ経営学を学べる大学でも、マーケティングに力を入れている大学、会計や金融を学びやすい大学、海外研修や語学教育が充実している大学など、それぞれ特徴があります。
最初は複数の候補を持ち、調べながら「ここは受けたい」「この大学は希望と少し違う」と絞っていく方が、納得できる志望校を見つけやすくなります。
偏差値だけで志望校を決めない
大学を比較するとき、偏差値は大学の入試難易度と現在の学力との差を見る材料の一つになります。しかし、偏差値だけで進学先を決めることはおすすめできません。
同じくらいの難易度でも、学べる内容、入試科目、キャンパスの場所、取得を目指せる資格、卒業後の進路は大学によって違います。
また、現在の模試偏差値が志望大学に届いていなくても、受験までに伸ばせる可能性があります。反対に、判定が良い大学でも、学びたい内容と合っていなければ進学後に違和感を持つことがあります。
偏差値は入試難易度や合格可能性を考える材料として使い、「その大学へ行きたいか」は別の条件も見ながら考えることが大切です。
大学の志望校を学部・学科から考える


大学名だけでは候補を絞りにくい場合は、学部・学科から見ていきます。
同じ名前の学部でも、大学によって学べる分野やカリキュラムは同じではありません。そのため、「経済学部だからどこでも同じ」「情報学部なら同じ内容を学ぶ」と考えず、大学ごとの中身まで確認する必要があります。
大学公式サイトには、カリキュラム、授業科目、教員の研究分野、資格、卒業後の進路などが掲載されています。
パンフレットの印象だけで決めず、「4年間で何を学ぶのか」を確認すると、自分に合う大学を比べやすくなります。
同じ学部名でも大学によって学べる内容は違う
例えば「経済学部」という同じ名前でも、理論を中心に学ぶ大学もあれば、データ分析、国際経済、地域経済、金融など特定の分野に力を入れている大学もあります。
工学部や情報系でも、大学によって設置されているコースや研究分野は異なります。学部名だけで「自分のやりたいことが学べる」と判断せず、学科・コースまで確認します。
気になる大学を見つけたら、学部名だけでなく、その中にどの学科・コースがあるのかまで確認します。
候補大学を比べるときは、「大学名が好きか」だけではなく、「その学部で学びたい内容があるか」を見ることが重要です。
大学公式サイトでカリキュラムや授業内容を見る
学部の中身を確認するには、大学公式サイトのカリキュラムや授業科目を見る方法があります。
1年次に何を学び、2年次以降にどのような分野へ進むのかを見ると、その学部の特徴が分かります。ゼミや研究室、専門科目まで確認すると、同じ学部名でも大学ごとの違いが見えてきます。
授業名だけでは内容が分かりにくい場合は、シラバスや教員紹介も確認します。興味のある授業や研究テーマがいくつか見つかる大学であれば、進学後の学びを想像しやすくなります。
オープンキャンパスへ参加する場合も、校舎を見るだけではなく、学部説明や模擬授業を通して実際に学ぶ内容を確認してみましょう。
資格・免許が必要な進路は取得要件を早めに確認する
将来目指している仕事に資格や免許が必要な場合は、志望大学を決める前に確認しておく必要があります。
例えば、医療、教育、福祉などの分野では、必要な資格によって進む学部・学科や履修する課程が決まる場合があります。
同じような学部名でも、希望する資格に対応していない学科があるため、学部名だけで判断せず、大学公式サイトで確認してください。
資格取得が進路に直結する場合は、大学名や偏差値より先に「その進路に必要な学びができるか」を見る必要があります。
卒業後の進路も大学・学部選びの材料にする
将来の職業がまだ決まっていない場合でも、大学や学部の卒業後の進路を見ることは参考になります。
大学公式サイトには、主な就職先や大学院への進学実績などが掲載されていることがあります。どのような業界へ進む卒業生が多いのかを見ると、その学部で学んだことが卒業後にどうつながるのかをイメージできます。
ただし、就職先だけで大学を選ぶ必要はありません。大学生活を過ごす場所なので、興味を持てる授業があるか、学びたい分野があるかも合わせて考えます。
「大学で学ぶこと」と「卒業した後」を両方見ることで、志望校を選ぶ理由をより具体的にできます。
志望大学の入試科目を確認して候補大学を比べる


気になる大学・学部が見つかったら、次に確認したいのが入試科目です。
大学受験では、同じ学部系統であっても大学や入試方式によって必要な科目が異なります。英語・国語・数学の組み合わせで受験できる大学もあれば、地歴公民や理科など別の科目が必要になる場合もあります。
志望大学を決めずに受験勉強を始めると、「対策していた科目が候補大学の受験科目に含まれない」「必要な科目の対策を始めるのが遅れた」ということも起こり得ます。
候補大学を作った段階で、大学公式サイトの最新の入試情報や募集要項を確認し、必要科目と配点まで確認しておきましょう。
同じ学部でも大学によって必要な入試科目は違う
例えば、同じ経済系の学部を目指していても、英語・国語・地歴公民で受験できる大学もあれば、数学を必要とする方式もあります。
理系学部でも、数学や理科の必要科目、理科で選択できる科目などは大学・学部・方式によって変わります。
そのため、「経済学部だからこの3科目」「工学部だからこの科目」と学部名だけで決めることはできません。
志望候補に入れた大学は、大学名だけを並べるのではなく、「大学・学部・学科・入試方式・必要科目」まで確認しておくことが重要です。
国公立と私立では必要な科目数や受験方式が異なる
国公立大学と私立大学では、一般選抜で必要な科目数や試験の組み合わせが異なります。
国公立大学では大学入学共通テストで複数の教科・科目を使い、その後の個別試験まで含めて受験する方式が多くあります。一方、私立大学では、国公立大学より少ない科目数で受験できる一般選抜も多くあります。
ただし、必要な教科・科目や配点は大学・学部・方式によって異なります。共通テスト利用方式などもあるため、「国公立ならこの科目」「私立なら3科目」と決めつけることはできません。
国公立と私立の両方を候補にする場合は、必要な科目数まで確認し、自分がいつから何を勉強する必要があるかを考えることが大切です。
得意科目だけで決めず必要な科目を先に確認する
「英語が得意だから英語を使える大学」「数学が苦手だから数学を使わない大学」という考え方だけで候補を決めると、選べる大学や学部を早い段階で狭めてしまうことがあります。
まずは興味のある大学・学部を探し、その大学を受験するには何が必要なのかを確認します。
苦手科目が必要だったとしても、受験まで時間があれば対策できる可能性があります。現在の得意・苦手だけで進路を決めるのではなく、志望大学と今の学力との差を見て判断します。
一方で、受験までの残り期間によっては新たな科目の対策を始めることが難しい場合もあります。その場合は、現在の学力と残された時間を踏まえて、現実的な受験科目を考える必要があります。
候補大学の入試科目を比較すると受験勉強の方向が見える
志望校が一つに決まっていなくても、候補大学がいくつかあれば受験勉強を始められます。
例えば、候補にしている3大学がすべて英語を必要としているのであれば、英語は優先して対策する科目になります。数学が必要な大学と不要な大学が分かれている場合は、数学を受験科目として準備することで候補をどこまで広げられるのかを考えることができます。
大学ごとの必要科目を確認すると、「何から受験勉強を始めればよいか分からない」という状態から、優先する科目を考えやすくなります。
志望校選びと受験勉強は別々に考えるのではなく、候補大学を作りながら必要な学習を決めていくことが大切です。
大学は通学・キャンパス・将来の生活まで考えて選ぶ


大学選びでは、学部や入試科目だけでなく、実際に進学した後の生活も確認しておきたいところです。
大学生活では、同じキャンパスへの通学を何年も続けることになります。自宅から通うのか、一人暮らしをするのか、どのキャンパスで授業を受けるのかによって、毎日の生活は大きく変わります。
オープンキャンパスでは通いやすく感じても、授業のある日に繰り返し通うことを考えると負担が大きい場合もあります。
進学後に「想定していた通学環境と違った」とならないように、大学の所在地だけではなく、学部ごとのキャンパスや通学時間まで確認しておきましょう。
自宅から通える大学か一人暮らしが必要か確認する
自宅から通える大学を希望するのか、県外進学や一人暮らしも候補にするのかで、探せる大学の範囲は大きく変わります。
自宅通学を考える場合は、電車やバスの乗り換えを含めて実際にどのくらい時間がかかるのか確認します。
県外進学を考える場合は、大学だけでなく住む地域や生活についても家族と話しておく必要があります。
「学びたい大学が見つかってから考える」方法もありますが、家庭の事情や費用面で進学できる地域に条件がある場合は、候補を探す段階で確認しておくと大学を選びやすくなります。
同じ大学でも学部によってキャンパスが違うことがある
大学によっては、複数のキャンパスを持ち、学部ごとに通う場所が分かれていることがあります。
大学名だけを見て所在地を確認すると、実際に希望する学部が別のキャンパスだったということもあります。また、学年によって通うキャンパスが変わる大学もあります。
志望大学を調べるときは、「○○大学はどこにあるか」ではなく、「希望する学部・学科はどのキャンパスで学ぶのか」まで確認します。
オープンキャンパスへ行く場合も、希望する学部が実際に通うキャンパスなのかを事前に確認しておきましょう。
卒業まで通うことを考えて通学時間も確認する
通学時間は、大学生活だけでなく勉強時間やアルバイト、課外活動にも影響します。
片道の時間だけでなく、乗り換え、駅からキャンパスまでの移動、授業開始時刻なども含めて考える必要があります。
オープンキャンパスへ行くときに、実際に公共交通機関を使って移動してみるのも一つの方法です。平日に同じ移動を繰り返せるかを考えると、進学後の生活を想像しやすくなります。
大学の魅力だけでなく、毎日無理なく通えるかも志望校を選ぶ大切な条件です。
将来やりたいことが決まっているなら必要な資格や進路から逆算する
将来就きたい仕事が決まっている場合は、その仕事に必要な資格や学びから大学を探す方法があります。
必要な資格がある職業なら、その資格につながる課程がある大学・学部・学科を確認します。大学院進学を視野に入れる分野なら、卒業後の進学状況まで見ておくとよいでしょう。
一方、将来の仕事が決まっていない場合は、この方法を無理に使う必要はありません。学びたい分野から大学を探し、その先にどのような進路があるのかを見る方法でも構いません。
大学選びでは、「将来の仕事や資格から大学を選ぶ方法」と「大学で学びたいことから将来を考える方法」の両方があります。
志望校が決まらない高校生は候補大学を比べて受験勉強につなげよう


志望大学がまだ一つに決まっていなくても、受験勉強を始めることはできます。
大切なのは、大学名だけを見比べるのではなく、候補を作り、それぞれの学部・入試科目・通学・卒業後の進路を比べることです。
候補ができれば、共通して必要な受験科目や、今の学力との差も見えてきます。そこから、どの科目を優先して勉強するのかを考えられます。
明光義塾では、高校生一人ひとりの現在の成績、興味のある学部、志望大学、必要な受験科目を確認しながら、優先する受験科目や学習計画を考えています。高校生の学習・大学受験については、高校生の個別指導でも紹介しています。
候補は大学名だけでなく学部・学科まで具体化する
「○○大学が気になる」という段階から一歩進めて、「○○大学○○学部○○学科」のように学部・学科まで候補にすると、比較しやすくなります。
同じ大学でも学部によって学習内容や入試科目が異なるため、大学名だけでは受験勉強の方向を決められません。
学部・学科まで決まれば、必要な科目、入試方式、キャンパス、資格などを大学公式サイトで確認できます。
第一志望を一つに決める前でも、学部・学科まで決めた候補を複数持っておくことが大切です。
学部・入試科目・通学・卒業後の進路の4つで候補を比較する
候補大学を比較するときは、今回紹介した「学部・学科」「入試科目」「通学・キャンパス」「卒業後の進路」の4つを確認します。
学びたい内容は合っていても必要な入試科目が現在の選択科目と合わない大学もあれば、受験しやすくても通学が難しい大学もあります。
一つの条件だけで決めず、複数の条件を見比べることで、自分が大学選びで何を重視したいのかも分かってきます。
最初からすべての条件を満たす一校を探すのではなく、候補を比べながら優先したい条件を見つけていきましょう。
模試の判定だけで候補を外さず現在の学力との差を見る
模試でD判定やE判定が出ると、「この大学は無理だから候補から外そう」と考えることがあります。
しかし、模試判定は、その時点での合格可能性を見る目安です。受験まで時間が残っているのであれば、判定だけではなく、どの科目で点数が不足しているのかを見る必要があります。
英語は志望校の目標水準に近いが、数学には大きな差があるのか、全科目で少しずつ足りないのかでは、これからの勉強方法は違います。
模試は判定だけでなく、科目ごとの得点や弱点を見る材料として使います。E判定が出た後の考え方については、判定がE判定でも合格できる?高校生が知っておきたい逆転のデータでも紹介しています。
明光義塾では志望大学選びから必要な受験科目と学習計画を考える
志望校が未定の段階でも、大学受験の準備は進められます。
明光義塾では、興味のある分野や大学、現在の学力などを確認しながら、志望大学や学部について一緒に考えていきます。
候補が見えてきたら、その大学・学部で必要な受験科目を確認し、現在の学力と受験までの残り期間を踏まえて、優先する学習を考えます。
志望大学が決まってから勉強を始めるのではなく、大学を調べながら必要な科目の学習を進め、候補をより具体的にしていくこともできます。大学受験に向けた映像授業については、MEIKO MUSEでも紹介しています。
大学の志望校が決まらなくても、まず候補を作るところから始めよう


大学の志望校が決まらないときに、焦って一校だけ選ぶ必要はありません。まずは、大学で学んでみたい分野を探し、気になる大学・学部・学科を複数見つけることから始めましょう。
候補ができたら、カリキュラム、入試科目、キャンパス所在地と通学時間、取得できる資格、卒業後の進路を確認します。大学名や偏差値だけでは分からなかった違いが見えてきます。
さらに、入試科目を確認すると、今からどの科目を勉強する必要があるのかも分かります。志望校選びと大学受験の勉強を別々に進めるのではなく、候補大学を比べながら受験勉強へつなげていくことが大切です。
「興味のある学部はあるけれど大学を選べない」「候補はあるが入試科目が分からない」「模試の結果を見て志望校を変えるべきか迷っている」という場合は、明光義塾へご相談ください。現在の学力や希望する進路を確認しながら、候補大学と必要な受験科目、その後の学習について一緒に考えます。
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